
産業用クレーン製造を手がける産機(松江市)は、同市内で工場を増設する。クレーンの受注拡大に対応し、7億円を投じて工場棟を新設する。8日に島根県、松江市と立地協定を締結した。
同社はクレーンの設計、製造から設置まで一貫対応できるのが強みだ。大手製鉄会社が脱炭素に向けて高炉より二酸化炭素(CO2)排出量の少ない電炉に切り替える作業を進めており、大型クレーンの需要が増えていることなどに対応する。
本社の近隣に約4800平方メートルの用地を取得して工場棟を新設、2026年6月の操業開始を予定する。これにより松江の工場の作業スペースは6割程度広がる。

新棟では大型クレーンの組み立てや電気工事、試運転などを担う。組み立て工程を新棟に移すことで既存工場の稼働率向上が見込めるほか、従来より大型のクレーン受注も可能になる。クレーン軌道の長さが従来の35メートルから、最大55メートル程度まで対応できるようになるという。
松江工場の生産能力は「3割程度は高めたい」(野元利幸社長)とする。同社の25年9月期の売上高は29億円を見込む。新棟の稼働で年1割程度の増収につなげる。同社は新たに常用で6人を雇用する計画で、県と松江市から最大で計6400万円の補助金を受ける。

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