
富士フイルムホールディングス(HD)は10日、人工知能(AI)を使って社員のキャリア形成を支援する仕組みの検証を始めたと発表した。社員が目指すキャリア像や現状のスキルを入力すると、AIが一人ひとりに最適な研修や職場内訓練(OJT)を提案する。社員が身につけるべき能力を明確にし、人材育成の最適化につなげる。
検証を始めたのは「AIコーチングシステム」と呼ばれる仕組みで、先端のIT(情報技術)スキルをもつ約10名を対象としている。検証結果を経て、IT人材以外への導入もめざす。
社員は「グラフィックデザイナー」や「データエンジニア」といった自身が目指す人材像を入力し、自分がもつスキルについて自己採点する。入力されたデータをAIが解析し、「この研修やOJTをこの順番で受講すべきだ」といった提案をする。
AIを活用することで、社員が目指す人材像を実現するためにどのようなスキルを取得すればいいかが分かりやすくなる。数多くある社員研修から、自分にとって最適なものを選ぶことなどに役立つ。
同日、東京都内で開いたデジタルトランスフォーメーション(DX)記者説明会で杉本征剛チーフ・デジタル・オフィサー(CDO)は「仮説検証が終われば全社員に広げたい。数年内の実用化を目指す」と話した。
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