日本特殊陶業は10日、ポーランドの研究機関や化学メーカーなど5者と、固体酸化物形電解セル（SOEC）を用いたグリーンアンモニア向け水電解装置の開発実証に関する覚書を交わしたと発表した。

2026年初めにポーランドで小規模SOEC実証機の設置・稼働を開始する。工場の実際のインフラを用いてSOEC電解装置の基本動作を検証し、SOECによる水素製造とアンモニア合成を組み合わせた技術を確認する。SOECは高温・高圧環境で高い変換効率を実現できる水素製造技術で、化学や鉄鋼などの産業分野での活用が期待される。

実証で生産される高純度水素は、アンモニアや肥料の生産プロセスに直接使用される。初期目標として年間数十万トンのアンモニアを生産する工場にグリーン水素を供給し、従来の化石由来水素からの移行により二酸化炭素（CO2）を大幅に削減する。

この取り組みはポーランドの2030年脱炭素目標に大きく寄与し、産業スケールでのSOEC量産モデルの共同開発も進める計画である。

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