オムロンはプログラミング不要で設備の稼働データを統合する機器(写真上部)を開発した(10日、京都市)

オムロンは10日、生産現場の稼働状況を一元管理して分析する機器を30日に発売すると発表した。プログラミングやソフトウエアを使わず、複数メーカーのロボットなどの稼働データを統合できる。技術者不足が進む製造現場の生産性向上を支援する。

製品名は「データフローコントローラDX1」。制御の頭脳となる各社の「PLC」(プログラマブル・ロジック・コントローラー)をノーコードでつなぎ、設備を稼働させたまま後付けで導入できる。価格は明らかにしていない。自動車や食品などの工場を対象に5年間で1万台の販売をめざす。

ロボットやセンサーを制御するプログラミング言語はそれぞれ異なる。生産ラインに混在するPLCをつないでデータを活用するには一定のノウハウが求められた。新製品を入れるとラインごとの異常や稼働率などを一元管理できる。ロボットの作動タイミングの調整などで稼働率の改善につなげられる。

朴帝映コントローラ事業部長は「現場のIoT(モノのインターネット)が誰でも簡単にできることを目指している。新製品を通じ、(稼働データを分析して生産改善を指南する)既存サービスのアイベルトも強化していきたい」と話した。

オムロンはファクトリーオートメーション(FA)機器などの制御機器事業が主力で、売上高の半分近くを稼ぐ。同事業では2024〜26年度の3年間に20〜22年度の2倍となる42の新製品を出す予定で、今回はそのひとつとなる。

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