農林水産省は10日、コメの作況指数に代わる新たな指標を総務省統計委員会の専門部会に示した。直近5年の収穫量をもとに算出し猛暑などの影響を反映しやすくする。専門部会は新指標での代替を前提に作況指数の廃止を了承した。
作況指数を巡っては生産現場から数値と実感に差があるとの指摘があり、小泉進次郎農相が6月に廃止を表明した。統計委員会は部会の議論をもとに9月中にも答申をまとめる。農水省は新指標の名称など詳細を詰める。
新指標は極端な豊作と凶作の影響を除外するため、直近5年のうち収穫量が最も多い年と少ない年を除いた3年分の平均値をまず算出する。その年の収穫量を平均値で割ることで収穫動向を示す指標にする。農水省は10月にも25年収穫分の公表を目指す。
キュウリやナスといった野菜は直近7年間の収穫量を使い、毎年の収穫動向を把握している。農水省はコメは野菜に比べて変動が小さいほか、近年の猛暑の影響を反映するには直近5年間のデータを活用することが適当と説明した。
作況指数は1956年から公表している。全国8000カ所の田んぼを無作為に選び、10アール当たりの収穫量を直近30年と比べている。当初、農水省は代替指標をつくる予定はなかったが、部会の議論などを踏まえ新指標を策定することにした。
【関連記事】
- ・農相「コメ作況指数に代わる参考値検討」 過去30年比較の廃止は維持
- ・コメ収穫量、国と県の統計にズレ 24年産は9県で不作 日経調査
- ・コメ本当に足りない? 生産把握の統計にずれ、需給「ヘビの口」に
- ・[社説]コメ統計改善で安定供給を

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。