アームが発表したスマホやゲーム機など民生機器向けの回路設計図(IP)群「Arm Lumex」

半導体設計大手の英アームは10日、スマートフォンやパソコンなどの人工知能(AI)処理を高速化する新しい回路設計図(IP)群を半導体の開発企業など向けに提供すると発表した。CPU(中央演算処理装置)や画像処理半導体(GPU)が効率的に機能するように必要なIPをセットで提供する。AIの計算性能は従来製品と比べて5倍になるという。

スマホやパソコン、民生機器向けの半導体に特化したIP群「Arm Lumex(アームルメックス)」の提供を始めた。既存のソフトや拡張機能と合わせてAI処理を高速化する。半導体の開発企業はIPを組み合わせて物理的な回路設計につなげる。

ルメックスではAIに必要な計算をCPUで高速にこなす拡張機能「SME2」に対応した。計算性能を高めたほか、AIによる音声生成は2.8倍高速になるという。

ソフトバンクグループ(SBG)傘下のアームは、IP群を「アーム・コンピュート・サブシステム(CSS)」というシリーズ名称で2023年から展開している。25年6月には車載向けにCSSの提供を始めた。IP単体からセット売りとして単価の引き上げにつなげる。

アーム日本法人の横山崇幸社長は「AIが日常の一部になっている」と指摘する。スマホやパソコンなどデバイス上で動くAIの価値が高まっているといい、「AIファーストのプラットフォームを提供することで、開発者はAI機能をスムーズに最適化できるようになる」と述べた。

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