
四大監査法人が出資する会計監査確認センターと米情報会社トムソン・ロイターは、監査業務のデジタル化を促進するため連携すると発表した。監査人が企業の預金残高をオンラインで確認できる両社のサービスを、3年後をメドに連携させることを目指す。利便性を高めてデジタル化を促し監査業務の効率を高める。
監査では企業が保有する預金や債権債務の金額が正しいかどうかを取引相手方の金融機関などに問い合わせて確かめる「残高確認」と呼ぶ手続きがある。会計監査確認センターが2019年にオンラインの残高確認サービスを始めて以降はデジタル化が進むものの、紙面の郵送による回答の授受もまだ残っている。
会計監査確認センターのサービスは回答をもらえる金融機関がほぼ国内勢に限られているのがネックだった。海外銀行に浸透しているトムソン・ロイターのサービスとの連携が実現すれば、監査人は会計監査確認センターのサービスを入り口とし、監査先企業が持つ海外銀の口座残高を確認しやすくなる。
回答する金融機関側も、会計監査確認センターとトムソン・ロイターのそれぞれに加入しサービスを使い分ける必要がなくなる。競合同士の連携により監査人や金融機関の利便性を高めることで、残高確認手続きのデジタル化を加速する。
会計監査確認センターはEY新日本、トーマツ、あずさ、PwCあらた(現PwC Japan)の4大監査法人が出資して2018年に設立された。日本で年50万〜60万通分に上る残高確認業務の4割ほどを担っている。利便性を高めて5年以内に利用シェアを8割に高める考えだ。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。