日本生命=大阪市中央区で、曽根田和久撮影

 日本生命保険から三菱UFJ銀行への出向者が同行の内部資料を不正に持ち出していた問題で、日生は12日、銀行や販売代理店などに出向した複数の社員が無断で情報を持ち出す事例が、2019年からの6年間で604件確認されたと発表した。自社の保険の営業活動を推進するために長期間、不正行為が続いていたとみられる。

 日生は7月、三菱UFJ銀に出向した社員が同行の保険商品の販売戦略などの内部情報を無断で持ち出したと明らかにした。情報は「社外秘」と認識しながら、日生内部では公然と広く共有されていた。不正発覚を受けた今回の社内調査で、三菱UFJ銀だけでなく複数の金融機関で不正な情報持ち出しが行われていたことが新たに判明した。

 保険業界では代理店への出向者が顧客情報を漏らす不祥事が続出し、日生を含め生保各社が既に関連調査を進めたが、今回の事案は把握できなかった。【山口智】

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