
個人宅やマンションなどを活用した「特区民泊」について、大阪市は新規の申請受け付けを停止する方向で調整に入った。市幹部らへの取材で明らかになった。全国の特区民泊の9割以上が市内に集中しており、騒音やごみ出しなどを巡って周辺住民とのトラブルが増えていた。
市幹部らによると、半年ほどの周知期間を置き、2026年半ばにも申請受け付けを停止する方向で調整している。住民とのトラブルを解決するための一時的な措置とし、停止する範囲を住宅地に限る案も出ている。宿泊施設の供給不足など、受け付けを再開する際の条件も詰めている。既存施設についても、住民からの苦情に対応しないなど悪質な場合は、認定を取り消す方針という。
市は今年7月に特区民泊に関するプロジェクトチーム(PT)を設置しており、今月末にも会合を開き、これらの対策をとりまとめる予定。
規制強化を見越した駆け込み申請が相次ぎ、市は臨時職員約10人を採用し、市保健所の窓口に配置する。申請に必要な予約は2カ月先まで埋まっているという。
特区民泊は国家戦略特区に基づく制度で、大阪市や東京都大田区など8自治体で導入されている。今年7月末現在の認定施設は全国7091件で、このうち大阪市内が6696件を占める。市内では6月に一棟まるごと特区民泊として運営する新築の「民泊マンション」ができ、周辺住民らが反対署名を集めるなどの問題も起きている。【高良駿輔】
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