
日本貿易会の安永竜夫会長(三井物産会長)は17日の定例記者会見で、国内で洋上風力発電所を建設・運営する事業環境について「日本のみならず世界的に非常に厳しい。技術的、経済的に困難さが増している」と述べた。同事業では三菱商事が国内3海域で撤退を決定した。伊藤忠商事と三井物産、住友商事、丸紅などが別の海域で洋上風力発電所の建設を計画している。
安永会長は、風や海、地質の条件が海域によって異なることなどを挙げて「新しい事象が発生したときに事業者側が全部の追加費用を負うと、経済性が回らず、ギブアップすることは起こりうる」と説明。民間企業がリスクを負いつつ自助努力をすべき部分と、国が仕組みとして担保する部分を含めて「何が正解なのかをもう一度整理して官民で議論するべきだ」と訴えた。
トランプ米政権は16日、日本から輸入する自動車への関税を引き下げ、既存の関税を合わせると、税負担は27.5%から15%に下がった。安永会長は「欧州連合(EU)や韓国に比べて劣後しない条件が確認され、競争における不安は解消された」と評価。そのうえで「15%の上乗せ分を、誰がどう負担するのか。米国で一定のインフレによる消費動向を見極める必要がある」と語った。
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