
トヨタ自動車系でスイッチ類を手がける東海理化は17日、多種多様な部品の組み立てを手掛ける汎用設備を公開した。ねじ締めや組み付け、搬送といった製造工程で生じる共通作業を異なる部品で対応できるようにした。東海理化の仕入れ先にも装置を提供し、サプライチェーン(供給網)全体の競争力強化につなげる。
このほど、愛知県大口町の本社工場に設備を設置して生産を始めた。部品を工程間に送る機械や組み付ける機械など作業に応じた設備を組み合わせることで、東海理化が手掛ける様々な部品の生産を手掛けられるようにした。
まずは電動パーキングブレーキのスイッチの量産を始めた。今後、工場内で設備を増やして別の部品の生産も始める。東海理化の今枝勝行取締役は「2035年には全製品の7割くらいをこうした設備で自動化したい」と話した。
これまでは各部品ごとで専用設備を設けていた。ただ、部品の生産終了に伴う廃棄の無駄があったり、生産ピークを過ぎて稼働が落ちた設備が場所を取ったりするといった課題があった。汎用設備を機動的に組み合わせて生産量に見合ったラインを設計できるようにする。
新設備で生産した部品の納入実績を積み上げた上で、他社への提供も視野に入れる。東海理化は仕入れ先で構成される44社の協力会を持ち、各社と設備の導入を探る。
二之夕裕美社長は「中小企業は新しいモノに投資する余力がない」と話す。東海理化が仕入れ先に設備を提供することで、業務効率化や手掛ける業務の裾野拡大を支援して全体の競争力強化を図る。
東海理化は30年度までに連結売上高を7000億円、営業利益率7%、自己資本利益率(ROE)10%の目標を掲げている。25年3月期実績の営業利益率5.7%、ROE8.8%から一段の上積みが必要で、新規事業だけでなく設備の効率化などでも資本効率を向上させたい考えだ。
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