世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の元幹部から高級バッグなどを受け取ったとして、あっせん収財の罪などに問われた尹錫悦(ユンソンニョル)前大統領の妻・金建希(キムゴニ)氏の初公判が24日、ソウル中央地裁であった。金氏側は起訴内容を全面的に否認した。

 法廷の様子が冒頭のみ公開された。黒のスーツとマスクを着用して出廷した金氏は、被告人席に着席する前に傍聴席に向かって軽く頭を下げた。大統領経験者の配偶者が刑事裁判にかけられたのは初めて。

 金氏は2022年4~7月、旧統一教会の元幹部=政治資金法違反などの罪で公判中=から教団の事業に便宜を図るよう依頼され、見返りに高価なブランドネックレスやバッグ計約8300万ウォン(約880万円)相当を受け取ったとされる。

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旧統一教会めぐる事件と関連も

 また、尹氏が当選することになる同年3月の大統領選では、尹氏と共謀し、「政治ブローカー」の男性から複数回にわたり約2億7千万ウォン(約2800万円)相当の世論調査結果を無償で受け取ったとして、政治資金法違反の罪に問われている。さらに、知人が経営するドイツ車の輸入販売会社の株価操作に関与したとして、資本市場法違反の罪にも問われている。

 金氏側は「バッグを受け取った事実はない」などと主張し、起訴内容を全面的に否認した。

 今回の裁判は、政治資金法違反などの容疑で逮捕された韓鶴子(ハンハクチャ)氏(82)が総裁を務める旧統一教会をめぐる事件と重なる部分もあり、今後の進展が注目される。

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