国連総会での一般討論演説に臨むシリアのシャラア暫定大統領(24日)=ロイター

【ニューヨーク=共同】シリアのシャラア暫定大統領は24日、米ニューヨークの国連総会一般討論で演説に臨んだ。シリアの国営通信によると、同国大統領が国連で演説したのは1967年のアタシ元大統領以来で58年ぶり。昨年12月のアサド旧政権崩壊後に各国が制裁を段階的に解除したことに謝意を示した上で、荒廃した国土再建に向け「完全な解除」を訴えた。

シャラア氏は暫定政府発足後に「(各国との)バランスの取れた外交や地域の安定、経済発展に集中的に取り組んだ」と強調。イスラエルがシリア領に侵入し、首都ダマスカスなどへの攻撃を繰り返していることについて「脅威は続いている」とし、シリアの主権を尊重するよう求めた。

アサド政権は親子2代で50年以上の独裁体制を敷き、国際社会から孤立した。シャラア氏は旧政権が多数の民間人を殺害したと批判し、旧政権を崩壊させた軍事行動により「人々の権利を取り戻した」と主張した。

シャラア氏は暫定政府を主導する過激派「シャーム解放機構(HTS)」の指導者。旧政権崩壊後、シリア各地では民族や宗教・宗派が絡む衝突が相次いでおり、治安維持や復興に向けた投資の呼び込み、国際社会との関係改善などが課題となっている。

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