イスラエル軍はガザ地区の北部にある最大都市のガザ市など各地でイスラム組織ハマスに対する軍事作戦を進めていて、現地メディアは25日、軍が直近24時間で、ハマスの戦闘員や武器庫など170以上の標的を空爆したと伝えました。
一方、パレスチナのメディアによりますと、ガザ地区中部では25日、住民たちが安全を求めて身を寄せていた建物が爆撃され、11人が死亡したということです。
ガザ地区では24日にもガザ市で住民の退避先の建物が爆撃されて9人の子どもを含む20人余りが死亡したと伝えられていて、現地当局は「犯罪的な攻撃だ」と非難した上で、民間人の保護などに向けた国際社会の対応を求めました。
こうした中、ハマスに連帯を示すイエメンの反政府勢力フーシ派とイスラエルの間で攻撃の応酬が続いていて、イスラエル軍は25日、イエメンの首都サヌアにあるフーシ派の参謀本部などを攻撃したと発表しました。
前日には、イスラエル南部のリゾート都市エイラートでフーシ派による無人機攻撃があり、20人以上がけがをしていて、イスラエル軍は近く追加の作戦を行うとしています。
ガザ地区の看護師「状況はとても悲惨で壊滅的」

ガザ地区南部ハンユニスで地域の基幹病院となっている「ナセル病院」のムハンマド・サケル看護部長が25日、NHKのオンラインインタビューに応じました。
サケル氏によりますと、ナセル病院は病床数がおよそ350なのに対して患者が1000人以上運び込まれ、ベッドが確保できない患者は廊下の床などで手当てを受けている状態だということです。
治療で助けられる患者を優先させるため、ICU=集中治療室の患者の治療を諦めたこともあったと話し「状況はとても悲惨で壊滅的だ。精神的に非常につらく、悪夢に悩まされている」と窮状を訴えました。
また「骨と皮だけにやせ細った患者が救急外来に運ばれてくる。栄養失調のために命を落とす患者も多くいる」としたうえで「栄養失調のため仕事中にスタッフが倒れたこともあった」と述べ、患者だけでなく医療スタッフも十分に食事が取れていないと語りました。
最後にサケル氏は「日本の人たちにはこの状況を広く知ってもらいジェノサイドを止めてほしい」と呼びかけました。
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