フランスのマクロン大統領は2日、デンマークのコペンハーゲンで開かれた欧州政治共同体(EPC)首脳会合で、制裁を逃れてロシア産の石油を輸送する「影の船団」の取り締まりを強化する方針を明らかにした。近くウクライナを支援する有志連合による対策会合を開くという。

 マクロン氏はこの日の会合後、記者団に対して「ロシアにさらなる圧力をかけるため、影の船団との闘いで前進する」と述べた。影の船団には800~1千隻の船舶が関与しているとみられ、その収入がロシアの戦費の3割から4割をまかなっていると説明した。有志連合の枠組みのもと、今後数週間で北大西洋条約機構(NATO)と協力しながら取り締まり強化を協議するという。

 一方、フランスの検察当局は2日、影の船団とみられるタンカーを拿捕(だほ)し、中国籍の船長ら2人を拘束したと発表した。

 当局によると、仏海軍が9月27日、フランス北西部のサンナゼール沖を航行していた大型タンカーの海上検査を実施。船舶の国籍を証明できなかったなどとして、捜査当局が船長ら2人を拘束した。

 AFP通信によると、タンカーは西アフリカのベナン船籍を名乗っていたが、「影の船団」として欧州連合(EU)の制裁対象となっていたという。

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