検問所でタリバンの旗を立てる戦闘員ら(2022年7月、カブール)=ロイター

【イスラマバード=共同】アフガニスタンのイスラム主義組織タリバン暫定政権の軍部隊は11日、国境地帯でパキスタン側に攻撃した。暫定政権の国防省は10日の声明で、パキスタンが領空侵犯し東部を爆撃し、首都カブール上空に侵入したと非難しており、今回の攻撃を「報復」だとした。

パキスタン軍も応戦した。双方が相手部隊の多数を殺害したと主張している。

タリバン暫定政権の国防省は作戦は終了したとした一方、パキスタンが主権を再び侵害すれば「断固とした対応を取る」と威嚇した。パキスタン治安当局筋はアフガンの部隊は多くの場所で退却したとしている。

アフガンメディアやパキスタン治安当局筋などによると、アフガンの部隊は東部ナンガルハル州やクナール州のほか、南部ヘルマンド州の国境地帯でもパキスタン側を攻撃した。

パキスタンはアフガン部隊や武装勢力の計200人以上を、タリバン暫定政権はパキスタン部隊の58人を殺害したと主張した。

パキスタンは2021年8月にタリバンが復権したアフガンを拠点に、イスラム武装勢力が越境テロを繰り返していると指摘。軍はアフガンに度々越境し空爆している。タリバン暫定政権は24年12月にも空爆への報復としてパキスタンの複数地点を攻撃した。

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