
【ワルシャワ=共同】ドイツの首都ベルリン市ミッテ区の公有地に設置されていた従軍慰安婦の被害を象徴する少女像が17日、区が手配した業者により強制的に撤去された。ミッテ区が共同通信の取材に明らかにした。ベルリンの上級行政裁判所が16日、少女像を設置した韓国系市民団体「コリア協議会」に撤去を命じたことを受けた措置とみられる。
コリア協議会のハン会長は、警察官に付き添われた業者の作業員らが17日朝、少女像を撤去してトラックで運び去ったと説明した。少女像は近くコリア協議会に返還される見通しという。ハン氏は弁護士と今後の対応を協議する考えを示した。

コリア協議会は、ミッテ区が出した今月7日までの撤去命令に対し、少女像の存続を求めて行政裁判所に仮処分を申し立てたが、行政裁判所は13日に「撤去されなければならない」と決定。コリア協議会が応じない場合、ミッテ区による撤去を含む「強制的な手段」がふさわしいとしていた。
コリア協議会は上訴したが、上級行政裁も「決定に対し争うために必要な法的要件を満たしていない」と指摘し、異議申し立ての余地はないと結論付けた。
少女像はコリア協議会が2020年に設置。22年、来日した当時のドイツのショルツ首相に岸田文雄首相が撤去への協力を要請し、ミッテ区が撤去に向け動いていた。〔共同〕
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