
【ワシントン=芦塚智子】機密情報の取り扱いを巡る罪で起訴されたボルトン元米大統領補佐官は17日、東部メリーランド州の連邦地裁に出廷し、罪状認否で無罪を主張した。米メディアが報じた。ボルトン氏は声明で「私は司法省の武器化の最新の標的となった」と述べ、起訴はトランプ大統領による政敵への報復の一環だと批判した。
ボルトン氏は16日に国防情報を不正に送信、保持したとして合計18件の罪状で起訴された。トランプ氏の政敵の起訴は米連邦捜査局(FBI)のコミー元長官やニューヨーク州のジェームズ司法長官に続き3人目。
ボルトン氏は第1次トランプ政権で国家安全保障担当の大統領補佐官を務めた。対北朝鮮政策などを巡って対立し解任された。2020年に政権内の混乱ぶりなどを記した回顧録を出版。トランプ氏の外交・安全保障政策に批判的な立場を取ってきた。
ボルトン氏は声明で「私は40年にわたって米国の外交政策と国家安全保障に人生をささげてきた。その目標を危うくするようなことは決してしない」と主張。トランプ氏の政敵の起訴を旧ソ連の独裁者だったスターリンによる粛清になぞらえ、「反対意見や意見の不一致は米国の立憲制度の基礎をなし、我々の自由にとって極めて重要だ」と強調した。
トランプ氏は16日、記者団にボルトン氏の起訴について質問され、聞いていないとしたうえで「彼は悪い人間だ」と語った。
トランプ氏は2期目の大統領就任後、ボルトン氏が機密情報にアクセスする権限を剝奪。イランによる暗殺計画が浮上していた同氏の警護も解除した。
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