国境警備官を増員する計画を明らかにしたカナダのカーニー首相=ロイター

【ニューヨーク=秋田咲】カナダのカーニー首相は17日、国境警備職員を新たに1000人を採用すると発表した。トランプ米政権はカナダから不法移民や合成麻薬フェンタニルが米国に流入しているとして関税措置を課している。関税引き下げに向けた交渉が続く中、米国側に不法移民対策への対応を進めているとアピールする狙いがある。

カナダの主要な空港や鉄道、港などの入国地点での警備体制を拡充する。カナダ国境サービス庁で採用する訓練生の給与も2005年以来で初めて増額する。カーニー氏は組織犯罪や移民詐欺、テロリズムへの取り締まりを強めることが目的だとしている。

米国のカナダとの北部国境では25年以降ひと月あたり500〜700人が米国境警備隊に拘束されている。24年にはひと月3000人を超えていた時期もあり拘束者数は減少傾向にある。カナダは24年末にも13億カナダドル(約1400億円)を投じヘリコプターやドローンなどによる監視部隊の整備にあたっていた。

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