景気の減速傾向が鮮明になっている中国で、高級ホテルが相次いで屋台を出店しています。

20日に発表された中国第3四半期のGDPは、前の年の同じ時期に比べてプラス4.8%と増えましたが、第2四半期と比べて伸びが減速しています。

消費動向を示す小売売上高はプラス3.0%でしたが、9月までの4カ月連続で伸び率が前の月を下回っています。

こうした中国経済の低迷は街の姿にも変化をもたらしています。

一流の料理人が腕をふるった料理が並ぶ屋台には、その味を求めて多くの人々が訪れています。

国営の四つ星ホテルではホテルのシェフが屋台で料理を作り、実演販売を行う姿がありました。

ホテルのシェフは「お客さんを呼び寄せるため、いまはこの形の方が人気。みんな(お客さん)無駄遣いをせず節約志向になっている」と話します。

中国では2025年5月、公務員などを対象に倹約令を発表し高級料理での接待や、酒・たばこを禁止するなど締め付けを強めています。

その動きが一般企業にも広がり、高級ホテルの主要な収入源の宴会需要が激減。

消費の低迷に拍車がかかり、その対応策として高級ホテルが屋台での“路上販売”に乗り出しているのです。

こうした中、北京では中国共産党の重要会議「4中全会」が始まりました。

消費が落ち込む中、内需拡大に向けどのような経済政策を打ち出すかが焦点です。

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