
【ニューヨーク=竹内弘文】米グーグル持ち株会社の米アルファベットは3日、米ドル建てとユーロ建ての社債を発行した。調達額は計250億ドル(約3兆8500億円)程度に及ぶ見込みだ。ドル建て債は複数の年限で構成されており、償還満期までの期間は最長50年の銘柄も含む。超長期の資金を確保し、人工知能(AI)向けデータセンターへの投資に充てる見込みだ。
金融情報サービスIFRによると、ドル建てでは3〜50年債の8種類の社債で計175億ドルの社債の発行条件を決めた。アルファベットが50年債を発行するのは初めて。ユーロ建てでは3〜39年債の6種類の年限で発行し計65億ユーロ(約1兆1500億円)調達した。
資金使途は明らかでないが、加速するAIインフラ投資へ投じるものとみられる。10月29日には2025年通通期の設備投資計画を前期比7〜9%増の910億〜930億ドルへを上方修正した。26年は一段と上積みする見込みだ。
足元で大手テクノロジー企業の大型起債が相次いでいる。オラクルは9月に計180億ドル、メタは10月下旬に計300億ドルの社債を発行した。巨額投資の多くは事業で稼ぎ出したキャッシュフローで賄うものとみられるが、各社は社債市場も活用する。
社債投資家の観点からも、AIで成長が期待される高格付け企業の社債に対する投資意欲が高い。ただ、巨額の資金調達を受けて流通市場では既発債の利回りが上昇(債券価格が下落)するなど、警戒感も一部でにじんでいる。
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