先に遺体が返還された人質男性の葬儀に参列する人々(4日、イスラエル中部テルアビブ)=AP

【エルサレム=共同】パレスチナのイスラム組織ハマスは4日、自治区ガザの和平計画「第1段階」の合意に基づき、人質1人の遺体をイスラエルに引き渡した。イスラエル首相府は5日、身元を確認したと発表し、ガザに残る人質の遺体は7人となった。イスラエル軍は北部ジャバリヤでハマスが利用していた数百メートルに及ぶ地下トンネルを発見し、破壊したと発表した。

一方、ハマス幹部は中東メディアのインタビューで、トランプ米政権の提案に基づき、ガザの治安維持を担う国際安定化部隊の設置に関する決議を国連安全保障理事会で採択することは「困難だ」と指摘。イスラエル軍に代わる軍事力の展開は容認できないと訴えた。

また米政権がハマスの武装解除などを議論する和平計画「第2段階」への移行を目指していることを巡り「まだその段階には至っていない」と強調。米国やイスラエルはハマスの武装解除について強制措置も辞さない考えを示すが、ハマスはイスラエル軍のガザ占領が終わるまで応じない構えで、協議は難航必至だ。

第1段階の合意でハマスは遺体を含む人質48人全員を10月13日までに引き渡すことになっていた。イスラエルはハマスが遺体の所在を把握しながら収容していないと批判。ただ荒廃するガザで収容が困難な場合もある。

ガザ保健当局によると、2023年10月の戦闘開始後のガザ側死者は6万8800人を超えた。

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