ロシアのプーチン大統領は5日に開いた国家安全保障会議で、米国が核実験を実施した場合、ロシアも追随する必要があるとの考えを示し、国防省など関係省庁に準備を指示した。トランプ米大統領が10月、「核兵器の実験」を国防総省に指示したと明らかにしており、米国を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。
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会議では、ベロウソフ国防相が、米国が核戦力を増強してロシアの脅威が高まっているとして、「本格的な核実験の準備を直ちに始めるのが賢明だ」と主張。ゲラシモフ参謀総長も、トランプ氏の発言は「米国の核実験実施への意欲を示している」として、核実験の準備開始を支持した。
ライト米エネルギー長官は今月2日、米FOXニュースの番組で、トランプ氏の指示した「核兵器の実験」について、「我々がこれから行うのは新たなシステムのテストだ。核爆発を伴うものではない」と発言している。
プーチン氏は「(核爆発を伴うあらゆる核実験を禁じる)包括的核実験禁止条約(CTBT)をロシアは厳格に順守し、その義務から逸脱する計画はない」としながらも、「2023年の年次教書演説で、米国などが実施すれば、ロシアは対応の措置をする必要があると述べた」と話し、関係省庁に核実験の実施を視野に準備を始めるよう求めた。
ロシアは、ソ連時代の1990年に爆発を伴う核実験を実施したが、翌91年のソ連崩壊後は実施していない。
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