8日、マドリードで開かれたアトレティコ・マドリードの試合=ロイター

【ニューヨーク=竹内弘文】米投資会社大手のアポロ・グローバル・マネジメント系のスポーツ投資会社は10日、サッカーのスペイン1部リーグ強豪、アトレティコ・マドリードを買収することで既存株主と合意したと発表した。米投資会社による欧州サッカーチーム買収が相次いでいる。

発表によると、スポーツ投資に特化した「アポロ・スポーツ・キャピタル」がアトレティコの株式の過半を取得する。財務条件は明らかにしていないが、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は関係者の話として、株式取得の前提となる企業価値評価(負債含む)は20億〜25億ユーロ(約3550億〜4450億円)程度という。

アトレティコは、スペインリーグでレアル・マドリードやバルセロナに次ぐ強豪と知られ、欧州クラブチームの頂点を競う欧州チャンピオンズリーグ(CL)には12年連続で出場している。ミゲル・アンヘル・ヒル・マリン最高経営責任者(CEO)が今後も経営のかじ取りを握る。

欧州サッカーの世界的な人気の高まりを受けて、米投資会社が欧州クラブを有望な投資対象として捉える事例が増えている。米投資会社オークツリー・キャピタル・マネジメントは24年、中国オーナーの債務不履行に伴い、融資の担保としていたイタリア1部リーグのクラブ、インテル・ミラノの所有権を取得した。

米投資会社クリアレイク・キャピタルは米投資家トッド・ボーリー氏と共同で22年、イングランド・プレミアリーグのチェルシーを買収したほか、スポーツに特化した米投資会社レッドバード・キャピタル・パートナーズも同年、イタリア1部リーグのACミランを買収した。

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