ニューヨークのウォール街=遠藤啓生撮影

【NQNニューヨーク=横内理恵】10日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、15時現在は前週末比390ドル58セント高の4万7377ドル68セントで推移している。400ドル超上昇する場面もある。米連邦政府機関の一部閉鎖の解除に向け前進したことが好感された。エヌビディアが大幅高となるなど、前週に下げたハイテク株を中心に見直し買いが入っている。

米連邦議会上院が9日につなぎ予算を採決するための動議を可決し、近く上院で予算案が可決される見通しとなった。米下院も週内に採決すると伝わっており、上下両院でつなぎ予算案を通過する可能性が高まった。

政府閉鎖は40日超と過去最長記録を更新し、経済活動への影響が大きくなっていた。与党・共和党がまとめた案は2026年1月30日までの予算に加え、生活保護に当たるプログラムの財源などを含む。

野党・民主党が求めていた年末に失効する公的医療保険の補助金延長については12月中旬までに改めて採決するが、民主党の上院議員の一部が共和党案を支持した。下院の採決やトランプ米大統領が署名するかなどの不透明要因は残るものの、政府閉鎖の解除に向けて進展したことが好感された。

ダウ平均ではエヌビディアが大幅高となっている。前週末に半導体受託生産の台湾積体電路製造(TSMC)に増産を依頼したと伝わり、改めて成長期待が高まった。アマゾン・ドット・コムやマイクロソフトも高い。

スリーエム(3M)やキャタピラーも上げている。一方、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やユナイテッドヘルス・グループなどディフェンシブ株には売りが出た。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発している。上昇率は2%あまりに達している。アルファベットやテスラ、データ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズの上昇が目立つ。

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