激しい受験戦争で知られる韓国で13日、日本の大学入学共通テストにあたる大学修学能力試験が実施されました。
韓国では一部の受験生がADHD治療薬を「勉強ができる薬」として乱用し、問題となっています。
濱田洋平記者:
試験開始時刻が迫る中、受験生が走って会場へ入っていきます。
ソウル市内の会場では、受験生が保護者と抱き合ってから試験会場へ向かう姿が見られました。
韓国の「大学修学能力試験」は2025年、2024年より3万人多い55万人あまりが受験しました。
受験生が増える一方で、医学部の定員は減っていて、聯合ニュースは「最上位圏の競争が一層激しくなる」と伝えています。
官公庁や企業は出勤時間を遅らせ、英語のリスニング試験中は航空機の離着陸を止めるなど、国を挙げて受験生を応援しています。
受験生:
緊張はしますが、準備してきたものを発揮したい。
保護者:
大変な道なのによく頑張ってくれて、本当にありがたい。
保護者:
韓国のすべての受験生、応援しています。
こうした厳しい受験戦争の中、韓国ではここ数年、ADHD治療薬「コンサータ」を“勉強ができる薬”として乱用するケースが相次ぎ、韓国政府が注意を呼びかけています。
保護者:
昨日ももらったという人がいる。
保護者:
普段飲まない薬を当日に飲むと副作用が心配で、事前に試す人もいた。
FNNが、学習塾の集まる教育熱の高い地域、大峙洞で薬局を取材すると、ADHD治療薬をめぐる実態が見えてきました。
薬局関係者:
処方された人の4割くらいは正式な診断がなく、飲ませたがる保護者もいた。
与党「共に民主党」の議員によりますと、保健当局の調査では、ADHD治療薬を処方された未成年は2020年の約6万5千人から、2024年は15万3千人と5年間で倍以上に増加。
2025年は上半期だけで14万人に達し、すでに前年に迫っています。
FNNが取材した薬局は、副作用の恐れがあるとして注意を呼びかけています。
薬局関係者:
交感神経が過度に興奮すると副交感神経の働きが落ち、 自律神経失調症になることがあります。
また、韓国の保健当局は、オンライン上での不法販売も増えているとして取り締まりを強化しています。
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