
【NQNニューヨーク=横内理恵】13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落して始まり、午前9時35分現在は前日比84ドル11セント安の4万8170ドル71セントで推移している。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3日続落で始まった。12日夜に米連邦政府機関の一部閉鎖を終わらせるつなぎ予算が成立し、材料出尽くし感からの売りが先行している。
トランプ米大統領が12日夜、米下院が同日に可決した2026年1月30日までのつなぎ予算に署名した。閉鎖されていた政府機関が13日朝から段階的に業務を再開している。
米株式市場では、前週末から閉鎖の解除に向けた動きを好感した買いが断続的に入っていた。ダウ平均は前日に終値で初めて4万8000ドル台に乗せ、12日までの4営業日で1300ドルあまり上昇した。高値警戒感から利益確定や持ち高調整の売りが出やすい。
政府閉鎖中に統計の集計業務が中断したため、10月の米消費者物価指数(CPI)と米雇用統計の発表が見送られる可能性がある。その他の指標も発表の遅れや精度の低下が予想され、経済の実体を把握するのが難しい環境は続くとみられている。市場では「2月に再び政府閉鎖があるかもしれない」(ラボバンク)との声もある。
米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測の後退も株価の重荷となっている。ボストン連銀のコリンズ総裁が12日夕の講演で「しばらくの間、政策金利を据え置くのが適切になりそうだ」と語った。追加利下げに慎重なFRB高官が増えており、米短期金利先物市場では12月の利下げ予想確率が前日の6割台から5割台に低下した。
ダウ平均の構成銘柄では、ウォルト・ディズニーが大幅に下落している。13日朝に発表した2025年7〜9月期決算で売上高が市場予想に届かず、売りが先行している。エヌビディアやユナイテッドヘルス・グループ、キャタピラーも安い。
一方、シスコシステムズが高い。前日夕発表の25年8〜10月期決算が市場予想を上回り、通期の見通しを引き上げたことが好感された。ナイキやアムジェンなども上げている。
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