4月に死去したローマ・カトリック教会のフランシスコ前教皇が乗っていた車が、移動型診療所に生まれ変わった。キリスト教の慈善団体などが「希望の車」と名付け、25日にパレスチナ自治区ヨルダン川西岸ベツレヘムで、お披露目式を開催。約2年にわたって戦闘が続いてきた同自治区ガザの子どもたちの支援にあてる予定だ。

 ガザで支援活動にあたってきた慈善団体カリタスによると、改装された車は三菱自動車製で、フランシスコ前教皇が2014年、イエス・キリストの生誕の地とされるベツレヘムなどを訪れた際に使われたものだという。

 車は発電システムを備え、酸素マスクや血圧計、ワクチンなども用意。医療従事者らが戦闘で手足を失った子どもたちの心のケアも担う。

 現在はイスラエル当局などからの搬入許可を待っているという。同団体エルサレム事務所のアントン・アスファン氏は、「最も弱い立場にあるガザの人々、特に子どもたちの苦しみを和らげるための新たな一歩になる」と訴えた。

 イスラエルと、ガザを拠点とするイスラム組織ハマスとの戦闘は2023年10月から始まり、ガザでは6万9千人以上が死亡し、2万人以上の子どもが犠牲になった。今年10月に停戦で合意した後も、合意違反などを理由としたイスラエル軍の攻撃が散発的に起きており、多くの犠牲者が出ている。

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