
【NQNニューヨーク=矢内純一】8日の米株式市場でダウ工業株30種平均は反落し、終値は前週末比215ドル67セント(0.44%)安の4万7739ドル32セントだった。最高値が近づくなか、9〜10日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を前に持ち高調整の売りが優勢となった。
米連邦準備理事会(FRB)が9〜10日開催のFOMCで0.25%の追加利下げを決めるとの観測を背景にダウ平均は前週まで2週連続で上昇し、11月12日に付けた最高値(4万8254ドル)が迫っていた。短期的な過熱感や高値警戒感が意識されやすい。ダウ平均の下げ幅は一時340ドルを超えた。
市場には、パウエル議長の記者会見やFOMC参加者の政策金利見通し(ドットチャート)を見極めたいとの雰囲気がある。「重要イベントを前に利益確定の売りが出ている」(インガルズ・アンド・スナイダーのティモシー・グリスキー氏)との指摘があった。
ダウ平均の構成銘柄では、ナイキやプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、アムジェンが下落した。アナリストが投資判断を引き下げたスリーエム(3M)も安かった。半面、ウォルト・ディズニーとボーイングが上昇した。
エヌビディアは1.7%高だった。米商務省がエヌビディアの人工知能(AI)半導体「H200」の中国への出荷を近く許可すると米新興メディアのセマフォーが8日午後に伝え、材料視された。
ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反落し、終値は32.224ポイント(0.13%)安の2万3545.904だった。テスラとアルファベットが下落した。一方、半導体のブロードコムが上昇した。
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