仏ルーヴル美術館前でストをする労組職員など(15日、パリ)=ロイター

【パリ=時事】フランス・パリの観光名所ルーヴル美術館で15日、一部職員が人員増や労働条件の改善を求めてスト入りし、臨時休館が決まった。推計8800万ユーロ(約160億円)の宝飾品を窃盗団に奪われた10月の事件以降、美術館ではトラブルが続出。仏メディアは「もうたくさんだ」と不満をこぼす館員の声を伝えている。

ルーヴルには警備を含む2100人余りが勤務するが、来館者は1日平均3万人弱と世界有数。近年は負担増で「業務遂行に支障を来している」(労組)という。AFP通信によると、15日の会合に出席した組合員は全会一致でストを承認。労組はストを「要求が満たされるまで」続けると警告しており、影響が長期化する可能性もある。

窃盗事件では、実行犯4人が捜査当局に全員逮捕されたが、盗品は回収されていない。美術館の不十分な警備体制に市民らから批判が殺到した。

さらに11月には、老朽化した建物の強度への懸念から、展示室の一部が閉鎖された。ほかにも水漏れで数百冊の蔵書に被害が出るなど、混乱が続いている。地元テレビは窃盗事件が「パンドラの箱を開けた」と報じた。

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