香港紙「リンゴ日報」(廃刊)の創業者、黎智英(ジミー・ライ)氏(78)が香港国家安全維持法(国安法)違反などの罪で有罪判決を受けたことをめぐり、米国のトランプ大統領は15日、「非常に残念だ」と述べた。

  • 有罪判決のライ氏、焦点は量刑に 中国が強く批判、「終身刑」懸念も

 トランプ氏は記者団とのやりとりで、黎氏は「高齢で体調もよくない」と説明。また、時期は明示しなかったものの「(中国の)習近平(シーチンピン)国家主席にこの件で話し、釈放を考えるよう頼んだ」とも述べた。

 ルビオ国務長官も同日に声明を出し、有罪判決は「言論の自由やその他の基本的な権利を守ろうとする人たちを沈黙させるために中国政府が法を執行していることの反映だ」と述べた。言論の自由などの権利は、返還後の高度な自治を定めた中英共同宣言で「中国が保証すると約束したものだ」と付け加えた。

 その上で、黎氏の健康状態は1800日以上の拘禁により著しく悪化しているとして、人道的な観点からできるだけ早く釈放するよう求めた。

 リンゴ日報は中国共産党に批判的な論調で知られていた。黎氏は記事や米政府関係者らとの面会を通じ、香港政府や中国政府への制裁を呼びかけたとして、国安法の「外国勢力と結託して国家安全を害する罪」などに問われたが、公判で起訴内容を否認していた。

 黎氏への有罪判決は15日に香港の裁判所が下した。量刑は後日言い渡される。

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