クリスマスのメッセージ動画を録画するチャールズ英国王(11日、ロンドン)=ロイター

【ロンドン=共同】英国のチャールズ国王は25日、クリスマス恒例のメッセージ動画を公開した。ロシアのウクライナ侵略など世界で紛争が続き、英国を含む欧米で反移民・難民感情が広がる中「国内外で分断の声が聞かれる」と懸念を示し、国民に結束を呼びかけた。

国王は第2次大戦に触れ「社会が難局を前に結束した様は、私たちにとって時代を問わないメッセージだ」と強調。過去から学びながら未来を見据える心の「巡礼」が大切だと語った。

英メディアによると、英君主のクリスマスメッセージは国王の曽祖父、ジョージ5世が1932年にラジオを通じて始めたのが起源。国王は政府の助言を受けずメッセージを考えた。動画ではウクライナ出身者らのコーラスの様子も流れた。

この日は王室メンバーが東部サンドリンガムの国王の別邸に集まった。米富豪エプスタイン氏から紹介された17歳の少女への性的虐待疑惑を巡り、今年11月に「王子」の称号を剝奪された国王の弟アンドルー氏は参加しなかった。

英国では英仏海峡をボートで渡り入国する難民申請者らの排斥を訴えるデモが繰り返され、反移民の右派ポピュリスト政党「リフォームUK」が支持を拡大している。

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