
【モスクワ=桑本太】ロシアを訪問した自民党の鈴木宗男参院議員は26日、ロシア外務省のルデンコ外務次官らとモスクワで面会した。北方領土への元島民の墓参再開やウクライナ侵略の早期停戦を求めた。
鈴木氏は面会後にモスクワで開いた記者会見でルデンコ氏に北方領土の元島民の高齢化などを訴え「墓参の実現について強く要望した」と述べた。米国が仲介するウクライナ和平交渉を経て停戦が実現すれば、墓参実現につながるとの期待を示した。
ロシアは2022年2月にウクライナ侵略を開始、日本の制裁に反発し北方領土への墓参や交流は途絶えている。
モスクワを訪れた背景について、信頼関係の構築が重要だと強調し、今後も訪ロを続ける考えを示した。
ルデンコ氏は日本の軍事費の拡大について懸念を示したという。鈴木氏は日ロ間の協力関係の進展に向けて、2国間の直行便の再開が話題に上がったとも説明した。
ロシア外務省は同日の発表で、ルデンコ氏は鈴木氏との会談で日本の取り組みが重要だと指摘、対話の再開には日本が敵対的な方針を放棄する必要があると強調した。
鈴木氏は同日、ロシア上院のコサチョフ副議長とも面会した。日ロ間で政治家の人材交流を進める方針を確認したと説明した。
鈴木氏は23年、24年にもロシアを訪問した。今回の訪問は25年10月の高市政権の誕生後では初めてとなった。
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