25日の攻撃で死亡した記者の1人、マリアム・ダッガさん=AP

【エルサレム=共同】パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニスの病院への攻撃で25日に報道関係者ら約20人が死亡し、国際社会でイスラエルに対する非難が拡大した。トランプ米大統領は攻撃を知らなかったとした上で「私は不満だ」と表明。「この悪夢を終わらせなければならない」と訴えた。

イスラエルのネタニヤフ首相は「悲劇的出来事で遺憾だ。軍が徹底調査している」と主張した。

攻撃されたのは南部最大のナセル病院。患者のほか、中東の衛星テレビのアルジャズィーラとAP通信、ロイター通信で働いていたカメラマンら5人も死亡した。最初の攻撃から約10分後、報道関係者や救助隊員が集まる中で2度目の攻撃があり、同じ場所を時間差で攻撃し被害拡大を狙う「ダブルタップ」と呼ばれる手法が用いられた可能性が指摘されている。

フランスのマクロン大統領は「民間人とジャーナリストはいかなる状況でも保護されなければならない」とし、イスラエルに国際法尊重を要求した。ラミー英外相は「即時停戦が必要だ」と指摘。ドイツ外務省は、報道関係者らが戦闘の現実を伝えるのに「不可欠な役割を果たしている」と訴えた。国連のグテレス事務総長は公平で迅速な調査を求めた。

25日、搬送されるロイター通信の契約カメラマン、ハテム・ハレド氏(ハンユニス)=ロイター

イスラエルメディアは25日、イスラエル当局者がイスラム組織ハマスとの停戦交渉の再開を巡り、仲介国エジプトの実務者と協議したと伝えた。別の仲介国のカタールとも接触したという。

トランプ氏はガザ情勢について「2、3週間以内に最終決着できると思う」と記者団に述べたが、根拠は示さなかった。

イスラエル軍は26日もガザ攻撃を続けた。ガザ保健当局は戦闘開始後のガザ側死者が6万2819人になったと発表した。飢餓や栄養失調による死者は303人。死亡したジャーナリストは240人を超えた。

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