
米国と中国は11日、追加関税の一時停止期間を互いに90日間延長し、11月10日までにすると発表しました。トランプ米大統領は「中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が会いたがっており、私も会うのを楽しみにしている」と述べており、年内訪中に強い意欲を示しています。
トランプ氏の電撃訪中があるとすれば、いつでしょうか。可能性の一つとして取り沙汰されているのが、9月3日です。
習氏はこの日、北京で「抗日戦争勝利80年」を記念する大規模な軍事パレードを計画しており、トランプ氏を招待したとの報道があります。この日の行事にはロシアのプーチン大統領も参加を予定しており、米中ロの首脳が北京で握手する光景が現実になりかねません。
現代中国の政治・外交が専門の加茂具樹・慶大教授はラジオNIKKEIのポッドキャスト番組「NIKKEIで深読み 中国経済の真相」に出演し「プーチン氏と米国のアラスカで会う決断をしたトランプ氏は、9月3日に中国を訪問することもあり得る」との見解を示しました。
習氏は米国の大統領が中国に来るという大きな政治イベントを、自身の権力基盤を維持するために最大限、活用しようとするでしょう。9月3日がダメでも、次のタイミングを探るにちがいありません。加茂氏は「米中の関係が常に対立、不安定な状態でずっと続くというシナリオを持つべきではない」と強調しました。
米中の接近は、たとえそれが一時的であっても、日本の立ち位置を難しくするのはまちがいありません。加茂氏の解説は以下のポッドキャストでお聴きいただけます。
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