奈良市内のホテルで開催された日韓首脳会談。
高市総理と李在明大統領が臨んだこの会談は、シャトル外交の一環として実現し、両国の良好な関係をアピールする場となりました。
総理の地元である奈良での開催という異例の事態に、県外からも警察官が動員され、厳戒態勢の中で行われました。
■去年10月の韓国での会談に続き、2度目の会談
13日午前、特別機で関西空港に降り立った韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領と金恵景(キム・ヘギョン)夫人。
午後2時半から奈良市内で始まった高市総理との会談。去年10月の韓国での会談に続き、2度目の会談となった両首脳は、打ち解けた様子で手を握り、満面の笑みを浮かべていました。
会談冒頭、高市総理は「本年のシャトル外交の最初の機会に私のふるさとここ奈良にお迎えすることができて、皆様を歓迎したいと思います」と述べ、「大統領と共に日韓関係を前に進めながら両国が地域の安定に連携して役割を果たしていくべきという考えを新たにしました」と語りました。
李在明大統領も丁寧な言葉で応え、和やかな雰囲気の中で会談がスタートしました。
■「重要な進展」を強調した高市総理
非公開で行われた会談の後、共同記者発表でその内容が明かされました。
【高市早苗総理】「まず、李在明大統領の訪日を心から歓迎いたします。日韓関係をバランスよく進めていくことについて、大統領と認識を共にしつつ、個別の案件も重要な進展をみることができました。
経済、経済安全保障では、戦略的で互いに利益をもたらす協力を進めていくべく、関係部局間で議論を進めていくことで一致しました」
【李在明大統領】「私と代表団を温かく迎えてくださった高市総理と日本の国民の皆様に深く感謝いたします。
詐欺犯罪をはじめとする国際犯罪問題を両国で共同で対応を強化することにすることにしました。特別な国際情勢の中、地域の平和と安全のための韓日、韓米日の協力についても認識をともにしました。
私は東アジア地域の韓国・中国・日本3カ国が最大限、共通点を見つけ、共にコミュニケーションをとり、協力して行くことが必要であると(会談で)強調しました」
■奈良市内は異例の緊張感に包まれる
海外の首脳を迎え入れるという異例の事態となった高市総理の地元奈良県では、緊張感が漂っていました。市役所には李大統領を歓迎する横断幕が掲げられ、歓迎ムードが漂う一方で、至るところで警戒態勢が敷かれていました。
市内には、県内外から集まった多数の警察官や機動隊員、白バイ隊員の姿が。さらに、道路では、検問が行われていました。
会談が行われる会場付近には、両首脳を一目見ようと訪れた人の姿も見られました。
【奈良県民】「私、高市早苗さんの大ファンなんです。嬉しくて嬉しくて。会いたい。韓国の大統領も大歓迎しないとね、せっかく奈良へ来ていただいてるのに」
また、大阪から来た人は「(韓国は)一番近い国なので、仲良くしていただけたらいいなと。韓国が、中国と日本が仲良くなるのに一役買ってくれたら嬉しいかな」と期待を語りました。
■高市総理と李大統領の狙いは
今回の会談は首脳同士が互いの国を行き来するシャトル外交の一環として実現し、良好な関係をアピールしています。
しかし、李大統領は先週には中国を訪問し、習近平国家主席とも会談していました。
日中間で台湾情勢を巡り関係が悪化する中、日本、中国とも立て続けにトップ会談をする韓国側の本当の狙いは何なのでしょうか。
韓国情勢に詳しい龍谷大学の李相哲教授によると、「両者の思惑が一致する部分があって、日本は中国との間で今揉めていますし、韓国は実はアメリカといい関係を築けていないんですね。日本と協力関係を築くのが今のところは得策だと」と分析しています。
また高市総理の狙いについては「日米韓関係で一番もろい部分が韓国なんですね。中国が困った時には韓国を崩そうとしているんです。この際、やっぱり日韓が利益・価値観を共有する国だということをはっきりと打ち出したほうが中国に対するメッセージになるのではないか」と指摘しています。
複数の政府関係者によると、両首脳は14日、建築様式が朝鮮半島の文化の影響を受けているとされる法隆寺を訪れる予定です。
■「韓国が存在感を見出すチャンス」安田教授
政策研究大学院大学の安田洋祐教授は、「李大統領は外交面での貢献が評価されている。韓国が存在感を見出すチャンス」と述べました。
【安田洋祐教授】「李大統領に関しては60パーセント台と言われる高い支持率の背景には、一番大きいのは外交面での貢献が評価されている。李大統領も日本、中国、韓国のコミュニケーションを円滑にバランス役を買ってでたい」との分析がされました。
安田教授は、「日本と中国の間、今対立している中で、韓国が存在感を見出すチャンスだと思っている。日本からすれば(それを)活用して、日中間に韓国に入ってもらう。また日米韓の一体感を深めていくためにも今回の日韓外交をプラスに使っていただければと思います」と述べました。
(関西テレビ「newsランナー」 2026年1月13日放送)
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