
【ニューヨーク=斉藤雄太】米半導体大手エヌビディアが27日発表した2025年5〜7月期決算を受け、米株式市場の時間外取引で同社株が一時、27日終値比で5%下落した。売上高や1株当たり利益(EPS)は市場予想を上回ったが、株価は好業績期待を織り込み急上昇してきたため、決算後は売りが先行した。
5〜7月期の売上高は467億ドル、EPSは1.08ドルでいずれも事前予想を上回った。市場の関心が高い8〜10月期の売上高見通しは540億ドルで、2%程度の増減があり得るとした。市場の事前予想は534億ドルだった。売上高見通しに中国向けの人工知能(AI)半導体の出荷は含まず、この点も市場の失望を誘った可能性がある。
エヌビディアの株価は根強いAI向け半導体の需要拡大期待を追い風に上昇基調をたどってきた。ダウ工業株30種平均が直近の底値を付けた4月8日から8月27日までに2割上げたのに対し、エヌビディアはおよそ9割高になった。
同社の時価総額は7月に米上場企業で初めて4兆ドル(約590兆円)を突破した。AI銘柄の代表格として相場全体をけん引してきたが、急ピッチの上昇で過熱感も高まり、8月に入ってからは上値が重くなる場面もあった。
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