『球磨焼酎の魅力を海外へ』、そんなプロジェクトが今、進められています。その一環として人吉球磨の蔵元をヨーロッパのバイヤーたちが視察。販路拡大に向け意見を交わしました。

【スイスのバイヤー マチュー・ツェルヴェガーさん】
「唯一無二の存在であるところが球磨焼酎の一番の魅力」

人吉市にある球磨焼酎の蔵元『大和一酒造元』です。

去年12月、スイスのバイヤー、マチュー・ツェルヴェガーさんと和田 徹 さんが訪れました。

【大和一酒造元 下田 文仁 代表】
「玄米焼酎ならではの香ばしいような甘いような香りがする。いま、3年ほど寝かせている」

『大和一酒造元』は2020年の豪雨で甚大な被害に遭いましたが、その後再建。フランスで行われたコンクールで素晴らしい成績を収めるなど海外からも注目されています。

一行は、明治初期から受け継いできた麹室を見学した後、酒蔵に移動。仕込み水として使っている温泉水を試飲したほか、焼酎の製造過程を見て回りました。

【スイスのバイヤー 和田 徹 さん】
「すごく歴史があって、伝統的なやり方でこだわりがあって、ぜひとも守るべき文化だと思った」

そして、焼酎の試飲も…。

【大和一酒造元・下田 文仁 代表】
「お湯割りにするよりも、できれば1週間くらい前に焼酎を水となじませておいて温めて飲んだ方がなじみが良くて、おいしくなる」

香りや味わいをじっくりと確かめながらテイスティングしていました。

【スイスのバイヤー 和田 徹 さん】
「米焼酎が一番、海外に人たちに、スイスの人たちに〈ささる〉焼酎。飲みやすく癖がない部分をもっと推していけば球磨焼酎が世界にもっと広まる可能性を感じている」

ヨーロッパのバイヤーを蔵元に招いて球磨焼酎をPRするこの取り組み。豪雨災害からの復興などを目的に肥後銀行のシンクタンク、地方経済総合研究所などが中小企業庁の補助金を活用して行っています。

【担当者】
「『プレミアム・ライフスタイル・ウィズ・球磨焼酎』というテーマで実施している」

今年度はスイスやフランスなど四つの国と地域をターゲットに販路拡大を支援しています。

スイスからの一行は、人吉市内のホテルで開かれた球磨焼酎の五つの蔵元との意見交換会にも参加。バイヤーの和田さんは、「スイスは隣接するドイツやフランスなどの影響を受け、地域ごとに言語も飲むお酒も違う。それぞれの地域のニーズを踏まえた提案が必要」と指摘。また、年代物のお酒が人気で、「熟成させた焼酎は受け皿になる」と話しました。

そして、17日。今度はフランスのバイヤーが人吉球磨にやってきました。

球磨郡湯前町にある『豊永酒造』を訪れたのはジャン・ジャック・バッチさんと妻の須田 亜里砂 さんです。

2人は社長の息子、豊永 遼 さんの案内のもと、酒蔵を見学。タンクの中で米麹を発酵させる蒸留前の仕込みの様子を見て回りました。

【豊永酒造 豊永 遼 さん】
「温度管理には一番、気を使っている。麹と発酵の両方、温度に気を使っている」

豊永酒造は、隣接する自社農園などで栽培した有機米を原料にした焼酎造りを行っています。

【豊永酒造 豊永 遼 さん】
「この球磨の土地の力で米を育てて、それで焼酎を造ることこそ本当の『球磨焼酎』だと思っている」

フランスでは有機農業で栽培された原料を使ったお酒への関心が高くバイヤーも興味津々です。

【フランスのバイヤー ジャン・ジャック・バッチさん】
「球磨焼酎の歴史や原料に有機米を使っていることなどとても興味深い内容で非常に良かった」

2人は、有機米を原料にした2種類の焼酎などを試飲。香りや味わいをじっくりと確かめていました。

バッチさんは、ウイスキー酵母で仕込んだ米焼酎に着目。濃厚な香りが癖になったようです。

【フランスのバイヤー ジャン・ジャック・バッチさん】
「無濾過で非常に香りが強いがおいしかった」

【豊永酒造 豊永 遼 さん】
「これからは日本だけじゃなくて海外にどんどんアピールしていかないといけないと思うので、海外のバイヤーが来てくれるのは非常にありがたい」

ユネスコの無形文化遺産に登録されている日本の『伝統的酒造り』。球磨焼酎の魅力をいかに海外へ発信していくか、蔵元の挑戦は続きます。

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