15日、日本の植民地支配からの解放80年を記念する「光復節」の式典で演説する韓国の李在明大統領(ソウル)=聯合・共同

【ソウル=小林恵理香】韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は15日、日本の植民地支配からの解放80年を記念する「光復節」の行事で演説した。日韓関係を巡り「過去を直視しつつ、未来へ進む知恵を発揮すべき時だ」と言及した。

6月に就任した李氏の光復節演説は今回が初めて。3年ぶりの革新(進歩)系政権となったが、保守系の尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領が進めた対日関係の改善路線を維持し、日本との関係を重視する姿勢を示している。

李氏は2025年が日韓国交正常化60年にもあたると指摘し「日本は経済発展において重要なパートナーだ」と述べた。首脳が相互訪問する「シャトル外交」の継続などを通して「日本と未来志向の共生、協力の道を模索する」と強調した。

尹氏は24年の演説で対日関係や歴史問題について言及を避けた。李氏は今回の演説で両国の懸案事項には触れなかったが「日本政府が過去の痛ましい歴史を直視し、両国間の信頼が損なわれないよう努力してくれることを期待する」とも話した。

李政権は北朝鮮との関係において対話による関係改善を掲げ、強硬だった尹前政権から方針転換した。南北の軍事境界線近くでの宣伝放送の中止や北朝鮮住民の送還などを実行した。

李氏は「今後も緊張緩和と信頼回復のための措置を取る」と言明した。北朝鮮の非核化を巡っては「南北や米朝の対話、国際社会の協力を通して平和的解決の糸口を探る」と表明した。

北朝鮮は金正恩(キム・ジョンウン)総書記の妹、金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長が7、8月に相次いで李政権の対北融和姿勢を否定する談話を公表している。李氏は「途絶えた対話を再開する道に、北側が応えることを期待する」と述べた。

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