【NQNニューヨーク=川上純平】2日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、連休前の前週末に比べ249ドル07セント(0.54%)安の4万5295ドル81セントで終えた。米国の財政不安を背景に米長期金利が上昇し、株式の割高感が意識された。ハイテク株を中心に売りが出て、指数を押し下げた。

米長期金利は2日に前週末に比べて0.07%高い(債券価格は安い)4.30%を付ける場面があった。米連邦巡回区控訴裁判所が8月29日、トランプ米政権の相互関税などを憲法違反とした一審判決を支持した。政権側は上訴する方針だが、最終的に違憲となれば米政府が得る関税の歳入が減るとの懸念が広がった。

ダウ平均は8月に1413ドル上昇し、前週には最高値を更新していた。SIAウェルス・マネジメントのコリン・チェシンスキ氏は「短期間で大きく上昇してきた後で、米長期金利の上昇をきっかけに株価が調整色を強めた」と話す。高PER(株価収益率)のハイテク株が売られやすく、エヌビディアやアマゾン・ドット・コムが下げた。

欧州でもフランスや英国の財政不安などを背景に主要国の債券利回りに上昇圧力がかかった。これが欧州株安につながり、米株相場の重荷になった面もあった。

ダウ平均の下げ幅は午前中に600ドルに迫ったが、その後は下げ渋った。米サプライマネジメント協会(ISM)が2日に発表した8月の米製造業景況感指数は48.7と7月から0.7ポイント改善した。個別項目では「新規受注」が上向いた。米経済が底堅さを保っているとの見方が主力株への押し目買いを促した。

ナイキやゴールドマン・サックス、シスコシステムズが下落した。シャーウィン・ウィリアムズとセールスフォースも売られた。半面、メルクやマクドナルド、ボーイングは上昇した。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落した。前週末比175.922ポイント(0.81%)安の2万1279.630(速報値)で終えた。テスラやクアルコムが下落した。

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