ロシアはかつて第2次世界大戦終結の記念日を日本が降伏文書に署名した9月2日としていましたが、2020年、ソビエト時代に対日戦勝記念日の祝日としていた3日に変更し、以降、対日戦の勝利を強調しています。
3日は戦勝80年を祝う記念の式典が極東のサハリンや北方領土、それに、主要都市ハバロフスクで開かれました。
式典では、ハバロフスク地方のデメシン知事が「きょうは、祖先の英雄的行為、勇気、そして献身を思い出す機会だ」と述べて、第2次世界大戦での旧ソビエト軍の役割を強調しました。

このあと、兵士などおよそ2700人が参加してパレードが行われました。
ロシアとしては、日本との戦争に勝利した80年の記念日だとして3日同じく軍事パレードを行った中国と歩調を合わせ、両国の連携を強調するとともに、戦勝国としての立場を誇示するねらいがあるとみられますが、国外から出席したのは旧ソビエト諸国の軍の高官などにとどまりました。
パレードに訪れた女性は「人々が団結し、私たちがいかに愛国的であるかを知ることが必要だと思います」と話していました。
また、別の女性は日本との関係について「政治が変わらなければよくならないでしょうが期待しましょう。常に希望が導いてくれると思います」と話していました。
ロシア極東 中ロ両国の人の交流活発に
記念の式典が開かれたロシア極東の中心都市ハバロフスクは、ロシアと中国の国境を流れるアムール川沿いにあります。
かつて旧ソビエトと中国は、この川にある島の領有権をめぐって対立し、1960年代には軍事衝突に発展しましたが、2008年、中ロ両国は国境を画定しました。
中国とロシアが関係を深める中、極東でも両国の人の交流が活発になっていて、ハバロフスク地方を去年訪れた中国人観光客は、地元メディアによりますと、3万人余りと前の年の3.5倍に増えたということです。
また、ハバロフスクでビジネスを展開する中国人もいます。
このうち、ことし2月に設立された中国とロシアとの合弁会社は住宅の外壁など建築資材を扱っています。
販売責任者を務める中国人の男性は、ウクライナ侵攻を受けて欧米側がロシアに対する制裁を強化する中、中国の企業にとってはロシアでのビジネスの機会が広がっていると感じています。
男性は「ロシアには多くの需要があるため、ロシアでビジネスをする必要がある」と話していました。
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