◆スミソニアン協会に展示内容の見直しを指示
トランプ政権は12日、首都ワシントンで歴史博物館などを運営するスミソニアン協会に対し、展示内容の見直しを指示した。ホワイトハウスが公表した協会宛ての書簡によると、見直し対象は、米国歴史博物館やアフリカ系米国人歴史文化博物館などの8施設。
トランプ大統領（資料写真）
来年の建国250年を迎えるにあたり、「党派的な言説を排除し、信頼を回復する」ことを目的とする。展示の文章などが歴史的枠組みや米国の理想と整合するかを見直し、120日以内に内容の修正を始めるよう求める。 トランプ氏は3月、協会運営の博物館などから「反米主義」を排除するよう命じる大統領令に署名。既に米国歴史博物館では、同氏の2021年の議会襲撃事件を巡る弾劾訴追に関する展示で、「2020年大統領選結果に異議を唱える虚偽の主張」の「虚偽」の表現が削除されたと報じられた。 一連の動きに対し、表現の自由に取り組む非営利団体「ペン・アメリカ」は「政権による歴史書き換えの試みは、民主主義の伝統への裏切り。歴史の理念や提示は、一人の指導者や政権の気まぐれに左右されてはならない」と批判している。◆「深い歴史観はないけれど…支持者を喜ばせたい」
なぜトランプ氏は文化にまで首を突っ込むのか。
アメリカのホワイトハウス（資料写真）
同志社大の三牧聖子教授（米国政治外交）は「自身に深い歴史観があるわけではない。支持者を喜ばせる政策の一つだ」とみる。 DEI（多様性・公平性・包括性）の取り組みが進む社会に不満を持つ白人や非エリート層の不満を巧みにくみ取り、「文化...残り 759/1517 文字
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