
【NQNニューヨーク=矢内純一】9日の米株式市場でダウ工業株30種平均は一進一退で始まり、午前9時35分現在は前日比22ドル34セント高の4万5537ドル29セントで推移している。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が引き続き相場を支えている。半面、株式相場が最高値圏にあるなかで主力株の一角には利益確定の売りが出やすい。ダウ平均は小幅に下げる場面がある。
米国の労働市場の減速を背景に、FRBが16〜17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げに踏み切るとの見方は根強い。市場の一部では利下げ幅が0.50%になるとの観測も浮上している。利下げが米経済や企業収益を下支えするとの期待が株買いを後押ししている。
ただ、ダウ平均の上値は限られている。ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は前日に最高値を付けた。ダウ平均と多くの機関投資家が運用指標にするS&P500種株価指数も最高値圏にある。高値警戒感は相場の重荷となっている。
9日午前には米雇用統計の年次改定が発表された。基準となる25年3月時点の就業者数は91万1000人程度の下方修正になる可能性が高いことを示したが、現在の利下げ基調を大きく変えるほどではないとの見方が多い。
10日に8月の米卸売物価指数(PPI)、11日に8月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控える。FRBの年内の利下げ回数などを見極める上で投資家の関心は高く、持ち高を一方向に傾けにくい雰囲気もある。
ダウ平均の構成銘柄では、ユナイテッドヘルス・グループやシェブロン、ビザが上昇している。半面、シャーウィン・ウィリアムズやホーム・デポ、スリーエム(3M)が下落している。
ナスダック総合は続伸して始まり、前日に付けた最高値(2万1798)を上回って推移している。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。