厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関で、竹内紀臣撮影

 厚生労働省は19日、障害のある人が受け取る障害年金で、2024年度にあった精神障害の申請で不支給とした124件について、再審査の結果、当初の判断を取り消し支給を決定したと発表した。厚労省は、当初の審査に違法性や認定基準の逸脱は確認できていないと説明する一方、「結果として判断が変わったということは適切ではなかった」としている。

 再審査は、24年度の障害年金の不支給の割合が13・0%で、前年度に比べ約1・5倍になった、との調査結果を受けた対応。24年度に不支給となった精神障害などの約1万1000件で、これまでに2895件の確認を終え、うち124件(4・3%)について、支給を決めた。

 精神障害は他の障害に比べ割合の増加が顕著だった。当初の審査と比べ、症状の経過や予後の見通し▽仕事の内容や就労実態▽就労による日常生活への影響――などをより重視した。

 厚労省は10月から、人員増など審査体制を強化。今後は月2000件ペースになるという。精神障害で支給とされたが、本来より下の等級となっている可能性があるケースなどについても順次、確認を進める。【寺原多恵子】

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