
厚生労働省は26日、世界保健機関(WHO)が日本の風疹の「排除」(撲滅)を同日認定したと発表した。日本に土着するウイルスによる感染が3年間確認されないことなどで認定される。日本の認定は初めて。
風疹は風疹ウイルスによる感染症。妊娠20週ごろまでの女性が感染することで、先天性心疾患、難聴など重篤な影響を胎児に与える先天性風疹症候群の原因となり、妊婦は特に注意が必要だ。感染後2~3週間の潜伏期間の後、主に発熱、発疹、リンパ節の腫れなどの症状が出るが、症状が表れない不顕性感染も多い。予防にはワクチンが有効とされる。
2018~19年に流行し、厚労省は19~24年度に「風しんの追加的対策」事業を実施。それまで公的な予防接種を受ける機会がなく、流行の中心になっていた1962年4月2日~79年4月1日生まれの男性は抗体検査を受け、抗体が足りなければ無料で接種を受けられた。これらの対策により、対象世代の抗体保有率は18年度の81・1%から24年度は89%に上昇していた。
厚労省によると、21年から国内で土着のウイルスによる風疹患者は報告されていなかった。【中村好見】
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