北アルプスの名峰、穂高連峰に抱かれた涸沢(からさわ)カール(長野県松本市)で紅葉が始まった。ナナカマドが赤、ダケカンバが黄に色づき、緑のハイマツや真っ青な秋空、灰色の岩と鮮やかなコントラストを描いている。

 涸沢カールは氷河の侵食によってできた谷で、スプーンでえぐりとったような丸い谷のカーブが、奥穂高岳や北穂高岳といった3千メートル級の岩の峰へと続いていく。

 景勝地として人気の上高地から、さらに6時間ほど歩いた標高2300~2500メートル地点にある。秋の紅葉はつとに有名で、「一度は見たい」と多くの登山者が訪れる。

 カールにある山小屋、涸沢ヒュッテ専務の山口浩一さん(47)によると、9月下旬には明け方の気温が3度前後まで下がり、池にうっすらと氷が張る日もあった。

 紅葉の進み具合は9月29日時点では5割程度で、10月初旬に最盛期を迎えそうだ。「近年は夏が暑すぎるせいか、ナナカマドの葉が赤くならず、焦げ付いたようになってしまうことが多い。それでもよく探してもらえば、きれいな色が見つかると思います」と話している。

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