JR東海は、駅や列車内での忘れ物を「LINE」で問い合わせできるサービスを10月1日から始める。これまでは電話での対応だったがチャットで完結できるようになるほか、人工知能(AI)による画像検索を活用して返却率の向上を図る。
新たなサービスでは、スタートアップ企業「find」(東京都)が開発した「落とし物クラウドfind」を導入する。
乗客からLINEで忘れ物の問い合わせを受けると、AIで該当する忘れ物があるか検索。検索結果や返却方法を乗客にLINEで回答する。問い合わせは24時間可能だが、回答時間は8~20時となる。
JR東海ではコロナ禍後、利用客の増加に伴って忘れ物の取り扱い件数も増加傾向にある。2022年度からの3年間は約54万件、約66万件、約70万件となっている。忘れ物の返却率(23年12月)は、新大阪駅が30.8%、東京駅は22.1%、名古屋駅は21.0%だという。
現状では、忘れ物の情報は駅係員が手入力でシステムに登録している。今後はAIの画像認識を使い、忘れ物の写真を撮影してその特徴を読み取って正確な登録が早くできるほか、短時間で高精度の検索が可能になるという。
JR東海の丹羽俊介社長は9月の定例会見で、「お客様の利便性を高めると同時に、忘れ物を取り扱う係員の負担を少なくしていきたい。当社の実験の結果、忘れ物を登録する作業時間が5割程度減少することが見込める」と話した。
LINEでの忘れ物の問い合わせは、10月1日午前8時から受け付ける。また同日、名古屋市港区に「JR東海お忘れ物センター」を新設し、忘れ物を集約。各駅で数日~2週間程度だった忘れ物の保管期間を3カ月に延長するという。一方、電話による問い合わせ(050・3772・3910)も継続する。
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