情報を集めながら四字熟語を創作する中村中学校・高校の生徒と国語科の板倉瞳教諭(左端)=東京都江東区で2025年9月30日、嶋田夕子撮影

 四字熟語の創作を授業に取り入れる学校が出てきた。表現力や語彙(ごい)力の向上に役立てる狙いがある。

 東京都江東区の中村中学校・高校で9月30日、中学2年の生徒が国語の授業で四字熟語の創作に挑んだ。

 今年の話題は「コメ」「クマ」「万博」が目立ち、生徒は新聞を手に「普段はネットでニュースを見るが、紙はレイアウトが工夫されていて読みやすい」と話した。中村奏恵さん(14)は、時節に合わない無用の物を意味する「夏炉冬扇(かろとうせん)」をもじって海外の選挙戦についての熟語を作成した。

 住友生命保険が1990年から「創作四字熟語」の募集を始め、2024年は最多の約2万4000作品が集まった。最優秀作品には、米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手の活躍を表現した「盗打随一」(当代随一)が選出された。

 近年の学校教育には発想力を強化するため、探究学習などが導入されている。中村中学校・高校で国語を教える板倉瞳教諭は、「テキストだけでは限界がある。プラスアルファが必要」と話し、6~7年前から中学生の授業に創作四字熟語を取り入れているという。

 今年度は2年生125人を対象に4コマの授業を実施。生徒たちは新聞や雑誌を読んで今年の出来事を振り返り、辞典も使いながら四字熟語を練っていた。

 板倉教諭は「世の中で何が起きているのか関心を持ち、自ら調べて情報を取捨選択する力を養うことが大切。人間性を深めてほしい」と話した。

 「創作四字熟語」は今年度から小中学生、高校生が対象の「学校応募の部」が新設された。応募は10月10日必着で、郵送などで受け付ける。【嶋田夕子】

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