浄土宗総本山・知恩院(京都市東山区)は今年の大みそかの「除夜の鐘」の参拝を有料化し、先着順から事前予約制にする。古都の風物詩として多くの参拝者が訪れるなか、混雑を和らげ、事故防止につなげる狙い。

 知恩院の大鐘は日本三大梵鐘(ぼんしょう)の一つで、高さ約3・3メートル、直径約2・8メートル、重さ約70トン。国重要文化財の大鐘楼につるされている。大みそかには「えーい、ひとーつ」「そーれ」の掛け声に合わせ、僧侶16人が子綱を引き、親綱を手にした1人が仰向けにぶら下がるような姿勢で鐘をつく。

 知恩院によると、例年は除夜の鐘をつき始める12月31日午後10時40分の前には開門され、参拝者の長い列ができた。境内では寺の職員らが誘導するが、大鐘楼周辺は狭く、鐘をつく様子を見られるのは数分だった。列の横入りなど参拝者間のトラブルもあったという。

 参拝料は1人3千円(小学生以下無料)。参拝料は境内の文化財の維持管理や修復にあてる。定員は先着2千人。4部制で各回500人。参拝時間は約30分間を予定。

 知恩院の九鬼昌司総務部課長は「安全面を考えても今のままでは難しいという実感があった。事前予約にすると受付時間に来ていただけ、ゆっくりとお参りしていただける」と話す。

 予約は知恩院ホームページに公開予定の特設ページで12月1日午後2時から。知恩院三門そばの友禅苑でも12月8日から受け付ける。問い合わせは知恩院(075・531・2111)。

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