豊臣秀吉が千利休らと開いた「北野大茶湯」にちなむ催し「北野大茶会」が11日、北野天満宮(京都市上京区)で始まった。京都府が大阪・関西万博に合わせて進めてきた「きょうとまるごとお茶の博覧会」のグランドフィナーレで、茶会や学生企画などの催しが13日まで続く。
開会の記念セレモニーで西脇隆俊知事が、8月に亡くなった裏千家の前家元・千玄室(げんしつ)さんに哀悼の意を表し、「お茶は人と人を結ぶ京都文化の総合芸術。作法にこだわらず、海外や関西一円の方々にも楽しんでほしい」とあいさつ。
橘重十九(しげとく)宮司は「茶の湯の地で再び人々が心を通わせる機会を迎えられたことをうれしく思う。お茶を通じて誠の心を感じてほしい」と語った。
この日は、表千家、武者小路千家、久田家、煎茶道の静風流による茶会のほか、府内団体による野だて茶会もあった。京都府庁茶道倶楽部の松村明日香さん(55)は「相手を思いやる心を茶から学んだ」と語り、来場者に抹茶を差し出した。
親子で訪れた三村久美子さん(33)は「天神さんで飲む一服は特別。初めて抹茶を飲んだ子どもは『苦いけどおいしい』と笑っていた」と話した。
特設ステージでは、華道家・池坊専宗(せんしゅう)さんが竹やツルウメモドキを使ったいけばなを披露。府内の学生による研究発表や、北野大茶湯の歴史を伝える茶道具の展示もあった。
12日は上七軒(かみしちけん)歌舞会(京都市上京区)の芸妓(げいこ)・舞妓(まいこ)による舞踊、13日には未生流(みしょうりゅう)笹岡家元の笹岡隆甫(りゅうほ)さんによるステージパフォーマンスなどが予定されている。
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